コラム

骨粗しょう症の検査と予防

2025.03.03

大阪市東住吉区にある医療法人金子外科では、地域の皆様のホームドクターとして、患者様お一人ひとりに丁寧で継続的なサポートをご提供しております。このブログでは、患者様の健康維持に役立つ情報をお届けしてまいりします。骨粗しょう症は早期発見・早期治療が重要な病気です。骨密度の低下は自覚症状がないまま進行することも多いため、定期的な検査が大切です。この記事では、骨粗しょう症の検査方法や診断基準についてくわしく解説します。

  

骨粗しょう症について

骨粗しょう症は、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。予防にあたっては「骨密度」を中心に考えられていました。しかし、骨密度が正常範囲であるにもかかわらず、骨折リスクが高い患者さんがいることがわかり、その原因を調べると、人によって「骨質」に違いがあることが明らかになってきました。 

骨粗しょう症の診断基準

状態 診断基準
脆弱性骨折がある場合 ・背骨(椎体)または脚の付け根(大腿骨近位部)の骨折がある

・その他の脆弱性骨折があり、骨密度がYAM80%未満

脆弱性骨折がない場合 ・骨密度がYAM70%以下

「原発性骨粗鬆症の診断基準(2012年度改訂版)」(日本骨代謝学会、日本骨粗鬆症学会合同による原発性骨粗鬆症診断基準改訂検討委員会)より

YAM(若年成人平均値):腰椎は2044歳、大腿骨近位部は2029歳の平均値

骨粗しょう症の診断は、主に骨密度の測定値と骨折の有無によって行われます。特に注意が必要なのは、本人が気づいていない脆弱性骨折の存在です。これは、転倒などのわずかな外力でも起こる骨折のことで、診断には必ずレントゲン検査が必要となります。 

骨粗しょう症の検査方法

医師はさまざまな検査を組み合わせて総合的に診断をおこないます。骨密度の測定は通常、腰椎か大腿骨近位部で行われ、若い成人の平均値(YAM)と比較して評価します。明確な診断基準があることで、早期発見・早期治療が可能となります。定期的な検査を受けることで、骨の健康状態を把握し、必要な予防や治療を始めることができます。 

まずはしっかりとお話をお聞きします

問診で閉経時期や病歴、食事や運動などの生活習慣をお聞きします。これらの情報は診断の重要な手がかりとなります。 

代表的な骨密度検査

骨密度は骨の強さを判定する重要な指標で、若い人の平均値と比較して評価します。測定方法にはDXA法、超音波法、MD法などがあります。

DXA

DXA法は2種類のX線を使用し、腰椎や大腿骨近位部の骨密度を正確に測定できます。 

超音波法

超音波法はかかとやすねの骨を測定し、X線を使用しないため妊娠中でも検査可能です。 

MD

MD法は手の骨を測定する方法で、多くの診療所で実施されています。 

レントゲン検査

レントゲン検査では背骨の骨折や変形、骨のスカスカ具合を確認します。 

身長測定

身長測定も重要で、25歳時からの身長低下は診断の参考になります。血液・尿検査では骨代謝マーカーを測定し、骨の新陳代謝の状態を調べます。 

骨を支えるコラーゲンの重要性

一般的にカルシウムばかりが注目されがちですが、実は骨の体積の50%はコラーゲンで構成されています。このコラーゲンの働きを支えているのが「コラーゲン架橋」です。コラーゲン架橋には「善玉架橋」と「悪玉架橋」があり、悪玉架橋が増えると骨がもろくなり、折れやすくなります。加齢のほか、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病でも悪玉架橋は増加します。そのため、これらの疾患をお持ちの方は骨折予防により一層の注意が必要となります。 

骨粗しょう症は自覚症状がないまま進行することが多い病気

骨粗しょう症は自覚症状がないまま進行することが多い病気です。特に女性は40歳以降、定期的な骨密度検査をおすすめします。医療法人金子外科では、最新の検査機器を用いた正確な検査と、患者様お一人ひとりの状態に合わせた診断と治療をご提供しています。骨の健康について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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