大阪市東住吉区にある医療法人金子外科では、地域の皆様のホームドクターとして、患者様お一人ひとりに丁寧で継続的なサポートをご提供しております。このブログでは、患者様の健康維持に役立つ情報をお届けしてまいりします。
近年、逆流性食道炎に悩む方が増えています。食後に胸焼けや喉の違和感を感じたことはありませんか?それはもしかすると、逆流性食道炎の症状かもしれません。そこで、逆流性食道炎の原因や症状、治療法についてくわしく解説していきます。
こんな症状はありませんか?
逆流性食道炎の主な症状には次のものがあります。
・胸焼け:胸のあたりに灼熱感を感じる
・呑酸:胃酸が喉まで逆流し、酸っぱい味を感じる
・みぞおちの痛み:みぞおちに圧迫感や痛みを感じる
・のどの違和感や咳:胃酸が喉まで逆流した場合、喉の不快感や喘息のような咳が発生することがあります。
逆流性食道炎とは?
逆流性食道炎とは、胃の中にある胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜に炎症を引き起こす病気です。本来、胃と食道の間には「下部食道括約筋」と呼ばれる筋肉があり、これがしっかりと閉まっていることで胃酸が逆流しないようになっています。しかし、この筋肉が何らかの原因で緩むと、食道に胃酸が逆流し、食道を傷つけてしまいます。胃自体は粘液を作り出し、胃酸から自らを守っていますが、食道はそのような保護機能がないため、逆流した胃酸によって炎症が発生します。
若い人も逆流性食道炎になるのか
逆流性食道炎は、年齢に関係なく発症する病気です。若い方でも、暴飲暴食やストレス、前かがみの姿勢などが原因で発症することがあります。年齢を重ねるほど、消化機能の低下や便秘、姿勢の悪化によって、逆流性食道炎のリスクがさらに高まると言われています。
逆流性食道炎の主な3つの原因
逆流性食道炎の原因は大きく3つに分類できます。近年では、ピロリ菌感染が減少し、胃酸の分泌が多い人が増えたため、逆流性食道炎の発症率が高まっています。また、ピロリ菌治療後に胃酸分泌が増加し、逆流性食道炎を発症するケースもあります。
食道と胃の締まりが悪くなること
食道裂孔ヘルニアという状態が大きな原因の一つです。この状態では、胃の一部が横隔膜の穴を通り、食道側にはみ出すため、胃酸が逆流しやすくなります。また、加齢や血圧を下げる薬の副作用によって、下部食道括約筋が緩んでしまうことも原因です。
胃に圧力がかかること
暴飲暴食や肥満によって、腹部に圧力がかかり、胃酸が食道に逆流しやすくなります。前かがみの姿勢や便秘も、胃に圧力をかけ、逆流を引き起こす要因となります。
胃酸の分泌が増えること
アルコール、高タンパク食、高脂肪食、コーヒーなどは胃酸の分泌を促進し、逆流性食道炎のリスクを高めます。特に、空腹時にこれらを摂取するのは避けた方が良いでしょう。コーヒーは、食後に飲む方が胃への負担が少なくなります。
逆流性食道炎の検査・診断
逆流性食道炎は、胸焼けや呑酸(胃酸の逆流を感じる症状)などの自覚症状から、ある程度診断が可能です。
正確な診断を行うためには、胃カメラ(内視鏡検査)を用いた詳細な検査が必要
胃カメラを使用することで、食道から胃、十二指腸にかけての粘膜の状態を直接観察することができます。特に、逆流性食道炎の特徴である食道の粘膜の炎症やびらん(ただれ)、赤みを確認することが診断の決め手となります。
内視鏡検査では、食道だけでなく胃や十二指腸の状態も確認でき、他の疾患(胃潰瘍や十二指腸潰瘍など)と区別することが可能です。
逆流性食道炎の治療法
逆流性食道炎の治療には、主に生活習慣の改善と薬物療法が用いられます。
生活習慣の改善
暴飲暴食を避け、肥満の場合は体重減少に努めることが重要です。また、便秘の解消や食後2〜4時間は横にならないことも推奨されます。特に、食後すぐに横になると、重力に逆らって胃酸が逆流しやすくなります。
・暴飲暴食を避け、食事をゆっくりと摂ることが重要です。
・脂肪分の多い食べ物や、空腹時の刺激物(アルコール、コーヒーなど)は控えるようにしましょう。
・バランスの良い食事を心がけることが大切です。
※ヨーグルトは便通の改善に役立つ可能性があり、逆流性食道炎の症状を緩和する手助けになることがありますが、ヨーグルト自体が逆流性食道炎に直接効くわけではありません。
内服薬による治療
胃酸の分泌を抑える薬として、プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカーが処方されます。これらの薬は、胃酸の分泌を減らし、食道への負担を軽減します。また、腸の運動を促進させる薬や不安を軽減する薬が処方される場合もあります。
逆流性食道炎は、生活習慣や食事の改善で予防や治療が可能な病気です
逆流性食道炎は早めに対応をすることで、症状の悪化を防ぎ、快適な生活を取り戻すことができます。もし、胸焼けや喉の違和感、みぞおちの痛みなどの症状が続いている場合は、ぜひ一度ご相談ください。医療法人金子外科では、患者様の症状や生活習慣をくわしくお聞きし、適切な検査と診断をおこなっています。気になる症状がある方は、お早めにご相談ください。