大阪市東住吉区にある医療法人金子外科では、地域の皆様のホームドクターとして、患者様お一人ひとりに丁寧で継続的なサポートをご提供しております。このブログでは、患者様の健康維持に役立つ情報をお届けしてまいります。最近、若い世代で増加している過敏性腸症候群(IBS)。腹痛や便秘、下痢などの症状に悩む中高生が増えています。ストレス社会を生きる現代の若者たちに、この病気が増えている理由と対処法について、専門医の立場からわかりやすく解説いたします。
過敏性腸症候群(IBS)とは
特に消化器に異常がないにもかかわらず、腹痛と便秘、または下痢を慢性的に繰り返す病気です。腸が刺激に過敏に反応することで引き起こされると考えられています。ストレスや不安、抑うつなどの心理的要因や自律神経の乱れが主な原因とされ、現代社会のストレス増加とともに患者数も増加傾向にあります。
過敏性腸症候群の主な症状
症状は大きく4つのタイプに分かれます。
・下痢型では、急な便意や水様性の下痢が特徴的です。
・便秘型では腹痛や腹部膨満感、便秘に悩まされます。
・混合型では便秘と下痢を繰り返し、特にストレスを感じると症状が不安定になります。
・おならが頻繁に出たり、お腹が張ったりする状態は「ガス型」と呼ばれます。
過敏性腸症候群の診断と検査
診断には、「6ヵ月以上前から症状があり、最近3ヵ月間に週1回程度の腹痛がある」などの基準から判断します。また、他の病気との区別が重要なため、血液検査や大腸内視鏡検査などがおこなわれることもあります。これらの検査で異常がないにもかかわらず症状が続く場合、過敏性腸症候群と診断されます。
過敏性腸症候群の治療と対策
過敏性腸症候群の治療は、生活習慣の改善を基本として、薬物療法や食事療法、必要に応じて心理療法なども組み合わせておこないます。
過敏性腸症候群で大切なことは規則正しい生活習慣
十分な睡眠と適度な運動を心がけ、ストレスをできるだけ抱え込まないようにすることが大切です。
食事面では、1日3食規則正しく、バランスの良い食事を心がけましょう。暴飲暴食は避け、就寝前の食事、油っぽい食べ物、刺激物は控えめにします。十分な水分摂取も重要です。
薬物療法では、症状に応じて腸の動きを整える薬や整腸剤、痛み止めなどが処方されます。
市販薬の使用は、副作用の可能性もあるため、必ず医師に相談してから始めましょう。
中高生の皆さんやご家族様へ、専門医からのアドバイス
勉強や部活、人間関係など、さまざまなストレスにさらされる中高生の時期。体調の変化に敏感になり、不安を感じることも多いかもしれません。しかし、過敏性腸症候群は適切な治療と生活習慣の改善で症状をコントロールできる病気です。ひとりで悩まず、ご家族や学校の先生に相談し、早めに医療機関を受診することをおすすめします。医療法人金子外科では、最新の検査機器を用いた正確な検査と、患者様の状態に合わせた適切な治療をご提供しています。また、若い患者様の気持ちに寄り添った診療を心がけています。つらい症状でお悩みの方は、どうぞお気軽にご相談ください。